今回は冬の日本の食卓には欠かせない白菜を取り上げてみたいと思います。
白菜と言えば、すき焼き、鍋、八宝菜、味噌汁、お漬物など多くの料理に使える便利な野菜ですね。シャキシャキとした主張のない味がどんな料理にも合いますね。今回はそんな白菜の歴史や栽培方法、栄養素について調べてみました。
白菜の歴史
白菜は古くから日本で食べられている野菜という印象がありましたが、実はその歴史は浅く日本に広まり始めたのは明治時代に入ってからです。原産地は地中海沿岸地方とされていて、そこから中国に伝播したのち11世紀頃に栽培が盛んになりました。当初はなかなか結球にならずに葉っぱだけが広がってしまう野菜だったのですが改良を繰り返されて今の葉っぱが集まる結球型になっていったとのことです。
日本においては明治時代中期の日清戦争後に中国から日本に持ち帰られた品種が改良されて昭和初期から主要野菜としての地位を確保しました。
白菜の育て方
我が家では毎年色々な野菜を作っていますが、その中で白菜はどちらかというと栽培が難しい野菜に位置づけられます。過去何度も挑戦しましたが、半分ぐらいしか成功していません。それは自分の育て方に問題があると言われればそれまでかもしれませんが、毎年の気候や植え付けの時期などに大きく左右されます。
最近は地球温暖化の影響もあるのか、9月に寒くなってきたと思いそろそろ苗を受け付けようと急いで植えると10月に入り急に気温が上昇し、10月なのに25度ぐらいの日になったりもします。そうするとせっかく植え付けた冬野菜の苗が暑さに耐えきれず干からびてしまうこともざらです。
また白菜の成長を妨げる天敵として幼虫やアブラムシなどの害虫が上げられます。白菜などの葉物野菜は幼虫たちにはとっても魅力的な食料源です。あんなに大きな柔らかい葉っぱを付ける白菜は格好の食料源になります。白菜を苦しめる害虫たちは地上だけではありません。土の中にもガの幼虫がいて根を食い荒らしてしまったりします。殺虫剤を使えば土の中の幼虫も殺せるのかもしれませんが、殺虫剤を使わない我が家としては白菜は虫たちの餌食になりやすいのです。
そんなこんなで2,3年苗を植えても上手く育たない状況が続いたのですが、その状況を見かねた近所の野菜作りベテランのおじいさんが、「寒冷紗」を使えば野菜を害虫から守ってくれるよと言ってくれて、そこから状況が大きく変わりました。
寒冷紗といえばご存じの方も多いかもしれませんが、畑の中に白や黒色のドーム状の薄い布状のものが野菜の上にかけられているのを見たことがありませんか?
ホームセンターなどに売っていて、値段もそこそこするのですが一回買えば何年も使えるので早めに買っておくことをお勧めします。
その寒冷紗を野菜を植えた後に上からかけることにより地上の害虫が白菜に付くのを妨害してくれますし、直射日光を遮ぎってくれたり朝晩の温度変化を和らげてくれたりして白菜苗を厳しい環境変化から守ってくれます。
以前書いたブログに寒冷紗の使い方を紹介していますので、是非参考にしてみてください。
では実際の白菜の植え付け方法ですが、我が家の場合は種からではなくて毎年9月終わり頃から10月初め頃に苗を買ってきて植え付けています。植え付け時期は本当に大切で、先ほども書いたとおり早く植え付けすぎてしまうと気温が上がってしまって苗をダメにしてしまうので、気温がある程度下がった日が続く事を確認してから植えた方がいいです。
野菜を育てるのには土作りが3割ほど重要な要素だと思いますが、できれば植え付けの1ヶ月前からは苦土石灰や堆肥を土に混ぜ込んで良く耕しておく必要があります。白菜は水はけの良い土地を好むので空気がしっかりと混ぜ込まれた柔らかい土にしておく必要があります。
植え付けは約50㎝ほどの間隔で苗を受け付けていき、植え付けたらすぐに寒冷紗をかけます。その後2週間に1回のペースで追肥をしていき約90日後には大きな結球になった白菜の収穫ができます。
白菜の栄養素
よく白菜には栄養が無いと言われますが、その理由としては9割が水分で出来ているからだと思われます。確かに噛んでもシャキシャキしていて水っぽく、味もそれほどパンチの効いていないどちらかというと淡泊な味です。その味だからこそ様々な料理に使いやすいのですが。
ただ白菜には全く栄養素がないかというとそんなことはありません。ビタミンC、ビタミンK、カリウム、食物繊維などが上げられます。
ビタミンCは風邪予防や免疫力を高める効果が期待されます。また抗酸化作用がありお肌の美容にも効果的です。
ビタミンKはビタミンDと共に骨に必要なカルシウムの吸収を助ける働きがあり、骨を丈夫にしたり骨折の予防に繋がります。
カリウムは体の水分バランスを保ち、ナトリウムの排泄を促すので血圧を下げる作用があります。ただ、腎機能の悪い方などが取り過ぎると体に悪い影響もでるのでカリウムの取り過ぎには注意しましょう。
食物繊維は便秘を改善することによりダイエットに効果的です。またブドウ糖の吸収をゆっくりにする作用があるので食後の急激な血糖上昇を抑えて、糖尿病の予防にも繋がります。
冬場は風邪が流行りますし、気温が下がることで血圧が上がりやすい時期ではありますが、そんな時期にぴったりの野菜と言えます。
是非白菜をしっかり摂って寒い冬を乗り切りましょう。
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