今回は前回の六君子湯に引き続き、同じ補気剤の分類である補中益気湯について取り上げたいと思います。
構成生薬
黄耆 人参 白朮 甘草 当帰 陳皮 升麻 柴胡 大棗 生姜
です。
前回の六君子湯は
人参 白朮 茯苓 甘草 半夏 陳皮 大棗 生姜
です。
共通の生薬も多いですが、六君子湯に比べて補中益気湯の特徴的生薬として
黄耆 当帰 升麻 柴胡
の4つが上げられます。
それぞれを見ると
黄耆・・・補中益気湯の中心的生薬。筋肉の緊張を高め、代謝を促進する。皮膚のバリアー機能をたかめ、免疫を上げる。
当帰・・・補血作用がある。免疫力を上げる作用もある。
升麻・・・下にある物を上に上げる作用があり、胃下垂などに効果的。
柴胡・・・筋肉の緊張を高める作用が
どんな人に効果的?
疲れやすい 体がだるい 元気がない 眠くなる 立ちくらみ 頭がふわふわする 息切れ
胃下垂 脱肛 子宮脱 など
薬の効果は?
疲労回復
体が重く、元気がない、寝ても疲れがとれない、食欲がでない などを改善
腹部膨満感 弛緩性便秘
消化管の運動を高め、食事の消化吸収を助ける。食欲不振、お腹のガスがたまる、弛緩性便秘などを改善
眼精疲労
目が疲れるとピント調整機能が低下する。目の筋力を高めることにより眼精疲労を改善する。
括約筋の緊張低下
肛門括約筋・膀胱括約筋の低下により便がでにくかったり、尿漏れがでたりすることがあるが、括約筋の筋力を高めることによりそれらの症状を改善する。
服用における注意
甘草が含まれているので低カリウム血症による血圧上昇、むくみなどに注意
汗腺をしめる働きがあるため、風邪の初期に使用すると邪気を体にとどめてしまうため初期には使用しない。
服用に関しては専門家にご相談ください。
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