防風通聖散はダイエットに使ってもよいのか?

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今回は防風通聖散という漢方薬について取り上げます。

防風通聖散と聞いてもあまり耳馴染みのない薬ではないかと思いますが、小林製薬が発売している「ナイシトール」とう薬は聞いた事がある人も多いのではないでしょうか?

ナイシトールは配合成分が防風通聖散と似ています。

そして生活習慣などによる肥満の改善に、といううたい文句で売られています。

さらにはダイエットにも良いから飲むという人までいます。

防風通聖散は本当にダイエット目的で飲んでも良いのでしょうか?

私の考えとしてはダイエット目的でこの薬を飲むことはおすすめしません

その理由を説明します。

配合成分

当帰(トウキ)、芍薬(シャクヤク)、川芎(センキュウ)、山梔子(サンシシ)、連翹(レンギョウ)、薄荷(ハッカ)、生姜(ショウキョウ)、荊芥(ケイガイ)、防風(ボウフウ)、麻黄(マオウ)、大黄(ダイオウ)、芒硝(ボウショウ)、白朮(ビャクジュツ)、桔梗(キキョウ)、黄芩(オウゴン)、甘草(カンゾウ)、石膏(セッコウ)、滑石(カッセキ)

どんな人に使われる?

中医学では防風通聖散は「表寒裏実」体質の人に使うとあります。

「表寒裏実」とはどういった体質の人でしょうか?

それは体の表面が冷えていて、内臓に熱がこもっているような人。

体の外側の代謝が滞っていて、内部の熱が上手く外に逃げずに内にこもっている状態です。

そのために食べたものが上手く代謝されなくて中にこもり内臓脂肪などの原因になってします。

配合されている麻黄、防風、荊芥は代謝を高めて熱を外の発散させる作用があります。

大黄、芒硝は下剤として有名な生薬で便秘を改善して余分な脂肪分の蓄積を改善します。

滑石、白朮、防風、麻黄、連翹、黄芩、大黄による利尿作用により体に溜まった余分な水分を除く作用があります。

以上を見ていくと、日頃から油っぽい食べ物を好み、ジュースやビールなどの水分を沢山とり、便秘がちな肥満の方に効果的であることが分かります。

防風通聖散をダイエット目的でおすすめしない理由

配合されている麻黄ですが、こちらはインフルエンザの時に使われる麻黄湯の主成分ではありますが、解表剤として有名で発汗作用がとても強いです。

量を多く飲むと動悸などの副作用が出ることがあります。発汗作用が強すぎると津液が不足してきます。

山梔子を長期に飲むことで起こることがある副作用として腸間膜静脈硬化症があります。

こちらは小腸の静脈硬化により血流が悪化し下痢、腹痛を起す症状です。

黄芩肝機能異常の原因になりやすい生薬ですので、こちらも長期に服用されるときは定期的な肝機能チェックをおすすめします。

以上の様な理由により防風通聖散を長期に漫然と飲み続けることは副作用に注意が必要です。

安易なダイエット目的に飲むことはとてもおすすめ出来ません。

あくまで便秘の改善などの一時的な服用に使われるべきだと思います。

服用にあたっては専門家に相談してください。

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