前回のブログに引き続き八ヶ岳テント泊後編です。
前編では桜平駐車場からオーレン小屋までを中心に書きましたが、今回はオーレン小屋から硫黄岳山頂までの登山の様子を書かせてもらいます。
1,AM2:00に起床
8月1日の日の出時刻がAM4:45です。オーレン小屋から硫黄岳山頂までのコースタイムが1時間20分だったので逆算してAM3:00に出発すれば十分間に合う予定でした。
ところが、緊張感からなのか慣れない環境からなのか前日PM7:00ぐらいには床に入ったのにそれから全然寝付けず、結局AM2:00に起きてしまいました。
もう少し寝ようかと思ったんですが、ひょっとしたら星空が・・・、と思いテントから出てみると、空にはこぼれ落ちそうなほどの満天の星空が✨
流石に標高2300mから見る星空は近くて、空気も澄んでいて、天の川もくっきり見えました。
スマホで写真を試みたのですが上手く撮影が出来なかったのが残念です。
2,恐かった真っ暗な森の中
昨日は天気が悪かったのですが、満天の星を眺めた瞬間ご来光もきっと見れると確信しました。
そこで俄然やる気が出てきて30分ほどで準備を整えていざ出発となったのでが・・・
自分の予想だとご来光を見に行く人は多くて、その人達の後に着いていけば良いのではと考えていたのですが、なんのなんの全然行く人はいなくて、数人の若者のパーティーがいるだけでした。
単独行動の自分としては、真っ暗な森の中をヘッドライトだけを頼りに歩くことにとても危険の感じ、若者のパーティーの後を着いていったのですが、真っ暗な森に入ると一瞬にして見失ってしまします。
暗い森の中をヘッドライトの明かりだけで歩くことは口では言い表せない恐怖との戦いです。
もし獣が出てきたら?とかお化けが出てきたら?とか子供の頃の肝試しを思い出します。
肝試しも単独で行く事は無いので、やはり単独での夜間登山はもうやめておこうと決意したのでありました。
そんな恐怖と戦いながらもなんとか昨日行ったヒュッテ夏沢に到着できました。
3,ヒュッテ夏沢から硫黄岳山頂まで
やっとの思いでオーレン小屋から夏沢峠までたどり着いたのですが、そこからは尾根伝いに山頂を目指します。森の暗闇を出て少し恐怖感から解放されましたが、今度は暗い中を急勾配のガレ場を登って行かなければいけません。
夏沢峠から硫黄山山頂まで約1時間掛ると思うと、先が思いやられる感がありましたがとにかくルートを外れないように慎重にライトを照らして登ろうと決心しました。時間はかかっても安全には変えれません。
足が滑りそうになるような急勾配、浮き石、酸素の薄さ、いろいろと大変な要素はありましたがやっとの思いで硫黄岳の爆裂火口が見れる場所までたどり着きました。
薄らと空が明るくなってきていましたが、まだ周りは暗いです。
そこから一気に山頂目指して登り、遂に硫黄岳山頂にたどり着きました。
とは言っても山頂には誰もいなくてほんとに山頂かと思うほどです。
山頂にたどり着いたのがちょうどAM4時ぐらいではなかったでしょか?
まだ日の出まで45分ほどあります。
そこで、山頂を独占して色々詮索したのですが、まず目に飛び込んできたのが
雲海でした。
雲海を見るのは実に初めてではないでしょうか?
飛行機の上からは見たことありますが自分の足で登ってきた山から見たのは初めてです。
その素晴らしさに思わず涙が出てくるくらい感動。暗い道を一所懸命登ってきた甲斐がありました。
そしてさらに待つこと15分、ついに硫黄岳の爆裂火口が現れました。
その荒々しいダイナミックな火口をみると大地のエネルギーの凄さ、人間の小ささを思い知らされます。
さらに時が流れると、太陽と思えない真っ赤な点が現れます。
徐々に太陽が現れてきます。
遂にご来光を拝めました。
硫黄山山頂の標識も赤く染まります。
手前に見える2つの山が東天狗、西天狗、その後ろが蓼科山です。
そして八ヶ岳の雄、赤岳です。いつか登りたい。
山頂での1時間はこの世の物とは思えない幻想的な時間を過ごすことができました。風も無く、周りの音もほとんど聞こえず、遙かに広がる大地と自分だけの世界。
八ヶ岳から頂いた宝物です。
4,下山
名残惜しさはありますが、十分に山頂を満喫させてもらったので下山します。
下山前に今一度硫黄岳の写真をいくつか撮りました。
上から見た爆裂火口です。
写真では伝わらないのですが、身の毛もよだつほどの怖さです。今まで味わったことのない高所での恐怖を感じました。
横から見た爆裂火口。グランドキャニオンには行ったことがないですが、日本にもこんな迫力のある場所があるとは。
山頂から少し下山した場所で山頂を振り返ると、こんな美しい景色が。
後から振り返るとよくこんなガレ場を暗がりで登ってきたなあ、、、と。
そして無事に夏沢峠まで下山できました。
昨日の天気とはうって変わった美しい硫黄岳の姿が見えました。
ありがとう硫黄岳、これ以上無い経験をさせてもらえました。
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