今回は痔核について取り上げたいと思います。
痔核とは
痔核は直腸の下部や肛門の粘膜にある静脈が膨らみ、こぶ状になった状態(静脈瘤)
炎症を伴い、坐位や排便時に痛みを伴うことが多いです。
痔核はさらに直腸と肛門の境で分けられ、上に出来る物を内痔核、下に出来る物を外痔核といいます。
内痔核とは
肛門部より上にできるため、目に見える事はすくないです。痛みもそれほど感じないことが多いですが、排便時に出血しやすいです。
外痔核とは
肛門部から下に出来るので、肛門から目に見える形で外の出てくることがあります。衣服や椅子の座面などに接触すると激しい痛みを感じます。
痔核が出来る原因としては直腸や肛門周囲の静脈内皮への圧力が増すことにより起こります。
圧力が上がる原因として、妊娠や力仕事、排便時の過度ないきみにより起こる事が多いです。
一般的な治療方法
保存療法と手術療法に分かれます。
ここでは一般的な薬物療法に使われる薬を取り上げます。
内服薬
ヘモナーゼ、ヘモリンガル、ヘモクロンなど→抗炎症、循環改善薬
軟膏、坐剤
プロクトセディル、ネリプロクト、ボラザG、強力ポステリザンなど
生活習慣の改善
便秘の改善→下剤などを使用して便秘を改善。便秘によるいきみ防止。
食物繊維を積極的にとる。
アルコールや香辛料を控える。
ウォシュレットを使用し肛門を清潔に保つ。
など
痔核に使われる漢方薬
乙字湯という漢方薬が良く使用されます。
乙字湯とはどういった薬なのでしょうか?
乙字湯の配合生薬
当帰(トウキ)、 柴胡(サイコ)、 黄芩(オウゴン)、 甘草(カンゾウ)、 升麻(ショウマ)、 大黄(ダイオウ)
当帰・・・血流改善。
柴胡、升麻・・・筋肉の緊張を高め下垂れる痔核を改善。
黄芩・・・消炎、浮腫の改善
大黄・・・便秘の改善。
甘草・・・痙攣の改善。
どんな効能があるのか?
生薬の構成をみると、まさに総合的に痔核に効果がある薬です。
そもそも痔核が出来る原因が肛門周囲のうっ血にあるため、まずは当帰で血流を改善し、黄芩や大黄で炎症を抑え、柴胡、升麻で垂れ下がった痔核を上にもどす作用があります。
服用に関しては専門家にご相談下さい。
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