今回は麻子仁丸という漢方薬について取り上げたいと思います。
ご年配の患者さんで大変悩みに上がる症状として、不眠と便秘がありますが今回は便秘によく使われる漢方です。
便秘と一言にいってもいくつかのタイプに分けれる事が出来るのですが、ご高齢の方に多いのが水分の少ないコロコロの便が少ししかでないような症状です。
これは大腸が弛緩してしまって、うまく便が運ばれない状態であったり、逆に緊張などにより大腸が痙攣してしまい、うまく便が運ばれない状態にあります。
原因としては色々ありますが、一つは食事の量が少ない。
ご高齢の方は食事量が減るために、おのずと便の量も減り毎日しっかりした量がでない。
また筋力の低下もあります。
活動量が減るので、腹筋であったり体の内部の筋肉運動が減り内臓の動きも弱くなってくることも上げられます。
水分不足。
日頃から水分をこまめに取られている方は多いですが、それでも十分に取れていない場合に便が硬くなりうまく排泄されないことがあります。
そんな時病院で出される薬として数種類の薬が出されますが漢方薬にも数種類の薬があります。
では今回取り上げる麻子仁丸がどういった薬なのか見ていきましょう。
配合生薬
麻子仁(マシニン)、芍薬(シャクヤク)、枳実(キジツ)、厚朴(コウボク)、大黄(ダイオウ)、杏仁(キョウニン)
麻子仁・・・油脂分を多く含み、腸管を刺激すると共に腸管からの水分の吸収を抑えることにより乾燥性の便を改善する。
芍薬・・・腸管の痙攣を改善し便の動きをスムーズにする。
枳実・・・理気剤であり、うっ滞した腸管の動きを改善する。
厚朴・・・胃腸系の代謝を良くする。
大黄・・・センナを配合していて、腸管を刺激して動きを良くし便を送り出す。
杏仁・・・油脂分を多く含み、腸管を刺激すると共に腸管からの水分の吸収を抑えることにより乾燥性の便を改善する。
どんな便秘の人に使われる?
水分が少ない、コロコロした便しかでないような便秘の人。
服用に関しての注意点
大黄が含まれているので長期に使用すると作用が弱くなることがあります。
妊婦の方は使用しないでください。
服用に関しては専門家にご相談下さい。
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