今回から時々生薬特集を書いていこうと思います。
生薬とは漢方薬を構成している一つ一つの成分です。
漢方薬は難しい漢字が並んだ分かりにくい薬と思われがちですが、構成している生薬を見ると結構同じ生薬が入っていて、配合される生薬から分類分けすることが出来ます。
例えば、風邪やインフルエンザで用いられる麻黄湯と葛根湯の中身をみてみると
麻黄湯・・・麻黄、桂枝、甘草、杏仁
葛根湯・・・麻黄、桂枝、甘草、葛根、芍薬、生姜、大棗
と3つ同じ生薬が入っています。
名前は全く違っても、中身は結構似通っているものが多くあります。
漢方薬はいわば生薬一つ一つの特性が混ざり合い、協力し合って人の体に良い影響を与えてくれる。
地球上の草木、菌、虫、動物の良い成分を活用させてもらって生きるエネルギーをもらう、素敵な事ではないでしょうか?
そこで、生薬一つ一つを取り上げていき、それぞれがどんな特徴があるのかを見ていきたいと思います。
初回の今回は
マメ科に属する オウギ、カッコン、カンゾウ、ケツメイシ、センナを取り上げてみたいと思います。
黄耆(オウギ)
キバナオウギなどの根。
[性 味] 甘、温 [帰 経] 脾 肺
体の表面の気を整え、汗が漏れ出すのを防ぐ。脾胃を補い気力を増す作用があるとされる。
[配合されている漢方薬として]
黄耆建中湯、加味帰脾湯、七物降下湯、十全大補湯、補中益気湯、人参養栄湯、防已黄耆湯など多くの漢方薬に配合されている。
葛根(カッコン)
クズの周皮を除いた根。
[性 味] 甘 辛 涼 [帰 経] 脾 胃
こちらはクズ餅に使われるクズです。
解表剤として使われ、発汗作用があります。
[配合される漢方薬として]
葛根湯、参蘇飲など
甘草(カンゾウ)
ウラルカンゾウの根
[性 味] 甘 平 [帰 経] 十二経
胃腸の調子を整え緊張をとる。肺を整え鎮咳、去痰する。鎮痙作用。
[配合される漢方薬として]
甘麦大棗湯、桔梗湯、芍薬甘草湯 など多数
決明子(ケツメイシ)
ミュージシャンでも有名なケツメイシ。
エビスグサの種子。
[性 味] 甘 苦 鹹 微寒 [帰 経] 肝 胆 腎
緩下剤として使用されるが漢方薬としてはあまり用いられない。
センナ
センナの葉
[性 味] 甘 苦 寒 [帰 経] 大腸
医療用医薬品や市販薬など多くの製品で使われています。主に便秘薬として使用されています。妊婦の方は使用を控えるべきものです。
今回はマメ科の生薬の一部を取り上げてみました。
最後までお読みいただき有り難うございました。
コメント