今回は半夏厚朴湯という漢方薬について取り上げてみたいと思います。
なんとなく気分がすぐれない、胃のあたりがムカムカして食欲が出ない、喉のあたりに詰まったような違和感があるなどの症状に使われる薬です。
以前のブログでも書きましたが春は肝の季節と言われています。春は草木が冬を抜けて土の中から芽を出して、ぐんぐん上に伸びていく、いわゆる木の芽立ちの季節です。
人体でいうところの肝が活発になる時期です。
肝の活動が活発になりそのエネルギーが心につながり、心の働きが脾胃につながって行くというのが自然な流れですが、肝の活動が余りにも活発になりすぎると脾胃の活動を抑えてしまう減少が起こってきます。
これは五行学説でいうところの相乗相侮の関係にあるのですが、行き過ぎた活動が他の臓とのバランスを崩し体調不良を起すとうことが中医学における基本的な考えです。
脾胃の動きが抑えられる事により、胃腸の動きが悪くなり、食べた物の消化が上手くいかずに胃のもたれを起したり、食道への逆流が起こり喉のあたりに違和感が出たりすることが起こってきます。
そんな症状に効果的な半夏厚朴湯がどんな薬であるかを見ていきたいと思います。
配合成分
半夏(ハンゲ)、茯苓(ブクリョウ)、厚朴(コウボク)、蘇葉(ソヨウ)、生姜(ショウキョウ
半夏・・・咳を沈め、痰を減らし、吐き気を抑える作用がある。
茯苓・・・余分な水分を腸管から吸収し尿として外に出す。
厚朴・・・胃や食道の痙攣を抑えて、消化を助ける。
蘇葉・・・喉の違和感を改善する。
生姜・・・胃腸の働きを助ける。
どんな人に使われる?
吐き気や嘔吐があり、喉に違和感が続く様な人。
気分が落ち込み、食欲が出ないような人。
咳が酷く、喘息の様な症状がある人。
喉に塊(梅核気)が詰まったような感じを持つ人。
服用にあたっての注意点
半夏は乾燥させる生薬であり、長期に服用することにより津液が不足してきますので長期の服用はおすすめしません。
服用にあたっては専門家にご相談ください。
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