今回は半夏瀉心湯という漢方について取り上げてみたいと思います。
前回取り上げました半夏厚朴湯と同じく、方剤の中に半夏が入っている薬です。
半夏厚朴湯が消化管の上部の症状、吐き気、喉の違和感に対して使われるのに対して、半夏瀉心湯は消化管のより広い症状に対して使われます。
上部の吐き気に対して使われたり、下部の下痢症状などに使われます。
その適応が脾胃不和をカバーすることにあります。
脾胃不和とは、胃の蠕動運動により食べ物を消化して下に送り出す作用と、脾の食べ物をエネルギーに転化する作用のバランスが崩れて、吐き気として上に逆流したり、下痢として下に下す症状に対して使われます。
では、半夏瀉心湯がどういった薬であるかを見ていきましょう。
配合成分
半夏(ハンゲ)、黄芩(オウゴン)、乾姜(カンキョウ)、人参(ニンジン)、甘草(カンゾウ)、大棗(タイソウ)、黄連(オウレン)
半夏・・・吐き気、痰を抑える。
黄芩・・・大腸の湿熱を除去する。
乾姜・・・胃腸を温める。
人参・・・胃腸の機能を高める。
甘草・・・胃腸の機能を高める。
大棗・・・胃腸の調整
黄連・・・吐き気、下痢の症状を改善。
どんな人に使われる?
ストレス性の下痢症状がある人。
過敏性腸症候群
二日酔いによる下痢
胃が重く、食べても軟便が続く人
服用にあたっての注意点
甘草が入っているので低カリウム血症による血圧上昇、むくみ等に注意して下さい。
黄芩が入っているので長期服用による肝機能異常に注意して下さい。
服用にあたっては専門家にご相談下さい。
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