新型コロナウイルスの感染が依然止まりません。
全国のPCR陽性患者さん数は3月29日に初めて1日として100人を越え、6日後の4月4日に200人を越え、さらに6日後の4月10日に400人を越えています。
イタリアやスペインで起こっているような、2,3日で倍以上の感染が広がるオーバーシュート(感染爆発)までのスピードには至っていませんが、確実に感染が広がりつつある状況です。
1日も速く新型コロナウイルスの感染拡大を防ぐため、世界各国で新薬やワクチンの開発が行われています。
そんな中、にわかに湧き上がったBCGワクチンが新型コロナウイルス感染予防に効果があるのでは?という仮説が出ています。
これはイタリア、スペイン、アメリカなどBCGワクチン接種が義務化されていない国と日本などの義務化されている国と比べて、義務化されている国の方が致死率、感染率が低いという事実に端を発しています。
ヨーロッパの隣国同士であるスペインとポルトガルを比較しても、BCGワクチンを推奨しているポルトガルの方がスペインの死者数の40分の1である現状(人口差や人口密度の違いがあるので、一概には比較できないが)
こういった事実を踏まえ、実際にオーストラリアなどではBCGの新型コロナウイルスに対する実用化の治験をスタートさせています。
ところが、このBCGワクチン仮説が一人歩きして日本においても色んな問題が生じ始めています。
BCGワクチンとは
そもそも、BCGワクチンとはどういったワクチンなのでしょうか?
BCGワクチンは結核予防に使われるワクチンであり、日本においては平成25年以降は生後1歳になるまでに接種が義務ずけられています。
通常であれば生後5~8ヶ月あたりにはんこ注射として上腕に接種されます。
結核と言えばかつて日本においては死の病として大変恐れられていました。
特に感染が酷かった明治後半から昭和初期に至っては実に死因のトップ5に毎年入る病気でした。
世界においてもエイズに次ぐ死亡数の多い感染症であり、東南アジアなどを中心とした湿度の高い国においては致死率が高い感染症です。
ところが、アメリカやヨーロッパ、オーストラリアなどは諸外国に比べて致死率が低くいため、ワクチン接種の義務化はされていません。
BCGワクチンは結核予防の他、最近では膀胱がんの再発予防に使われる事もあります。
BCGワクチン供給不足問題
にわかに話題になったBCGワクチンが新型コロナウイルス感染予防に効果があるのではないか?という仮説に基づくうわさにより、日本においてはBCGワクチンの需要量が増えていて、3月末の出荷量が例年の3倍に上がっているようです。
そうなると、本来必要であるはずの新生児へのBCGワクチン接種に必要なワクチンの不足が危惧されています。
また、はんこ注射を使った経皮注射であるはずが誤って皮下注射をしてしまうという事例も出てきているようです。
安易なワクチン接種は控えましょう
以上の現実を踏まえて、今一度冷静になる必要があると思います。
新型コロナウイルスに対してBCGワクチンが効果があるかどうかはまだ何も分かっていません。
今の段階で多くの方がBCGワクチンを使用してしまい、新生児に必要なワクチンが不足してしまては元も子もありません。
また安易な使用により副作用が起きることも否定できません。
私たちにできることは、極力外出を控え、睡眠、栄養をしっかりとり免疫を高めることが最も大切なことではないでしょうか。
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