今回は抑肝散という漢方薬について取り上げてみたいと思います。
こちらの漢方は実に様々な使われ方をする薬です。
もともと小児の夜泣きによく使われているのですが、臨床においては認知症の周辺症状や不眠症、高血圧症などにも使われる事もあります。
肝を抑える薬という字から分かるように、肝との関係がとても深い薬です。
肝という臓は、もともと情緒を司どる場所であり、肝が乱れる事によりイライラが起こったり、不眠になったり、動悸が起こったり、疲れやすくなったりします。
そして春から夏にかけての季節風が吹き荒れるこの時期は、肝を乱しやすい季節でもあります。
肝が乱れる事により、寝付きが悪くなり良く夢を見たり、どことなくイライラがしたり、5月病と言われるような鬱症状が現れたりもします。
そういった、肝の乱れを改善する薬として抑肝散はよく使われます。
では、抑肝散とはどういった薬であるか見てきましょう。
配合成分
当帰(トウキ)、 釣藤鈎(チョウトウコウ)、川芎(センキュウ)、白朮(ソウジュツ)、茯苓(ブクリョウ)、柴胡(サイコ)、甘草(カンゾウ)
釣藤鈎・・・鎮静、鎮痙作用がある。イライラを抑えたり、血圧を下げる作用がある。
柴胡・・・鎮静、自律神経の調整に働く。
当帰、川芎・・・滋養強壮作用、血管を広げて血液循環を改善する。
白朮、茯苓・・・鎮静作用。体の余分な水分を尿として外に出す。
効能、効果
イライラ、不眠症、睡眠が浅い、元気がない、手足が震える、頭痛、怒りっぽい
などの症状に効果的
服用にあたっての注意点
甘草が含まれているので、低カリウム血症により血圧上昇、むくみなどの副作用に注意
服用にあたっては専門家にご相談下さい。
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