今回は八味地黄丸を取り上げてみたいと思います。
いわゆる補腎剤の分類にあたり、老化などにより機能が落ちた腎虚を補うために使われます。
中医学の考えでは腎は先天的の精と呼ばれ、腎の強さは生まれながらに備わった物と言われています。
腎は人体の成長、発育、維持にとって大変重要です。
腎が弱いと発育も遅く、骨の発育も悪いため虚弱体質傾向にあります。
腎は耳や髪、精にも通じるため老化により機能が落ちると耳が聞こえにくくなってきたり、白髪が増えたり、インポテンツになるなどの症状が現れます。
このように若々しさを保つために大変重要な腎を補う漢方薬が八味地黄丸です。
では、どういった薬なのか見ていきましょう。
構成生薬
地黄(ジオウ)、 山茱萸(サンシュユ)、山薬(サンヤク)、沢瀉(タクシャ)、茯苓(ブクリョウ)、牡丹皮(ボタンピ)、桂皮(ケイヒ)、附子末(ブシマツ)
地黄・・・補血作用、滋養強壮作用があるとされる。
山茱萸・・・補腎作用。精力増加、腰痛、耳鳴り、めまい、頻尿など効果があるとされる。
山薬・・・胃腸の機能を高め、肺や腎を強める作用があるとされる。
沢瀉・・・利水剤。水を除き、炎症を抑える。
茯苓・・・利水剤、精神安定剤。むくみを取り、胃腸の動きを改善する。
牡丹皮・・・血熱を抑え、瘀血を取り除く。生理不順、腰痛などを改善。
桂皮・・・芳香健胃薬として使用される。また発汗作用もある。
附子・・・腎の気を補い、体を温め、水分を取り除く。
どんな人に使われる?
腰や膝がだるくて力が入らない、めまい、ふらつき、頭がぼーっとする、精力減退、頻尿、耳鳴り、下半身の冷え、むくみなど
服用にあたっての注意点
地黄が胃に少し重いかもしれません。服用すると胃が悪くなることがあります。
また利尿作用があります。
服用にあたっては専門家に相談して下さい。
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