こんにちは、私は普段調剤薬局で働いている薬剤師です。
今回は高血圧治療薬に使われる薬剤の中で、β遮断薬 αβ遮断薬 α遮断薬について書かせてもらいます。
主なβ遮断薬
ここでは主に私の薬局で扱っている薬剤を中心に書かせてもらいます。
テノーミン錠(成分名:アテノロール)
特徴:作用が強い
用法用量:1日1回50mg 最大1日1回100mg
代謝:腎排泄 代謝されない
半減期:11時間
禁忌:糖尿病性ケトアシドーシス、代謝性アシドーシス 高度徐脈 房室ブロック(Ⅱ、Ⅲ度)洞房ブロック 洞不全症候群 心原性ショック 肺高血圧による右心不全 うっ血性心不全 低血圧症 重度末梢循環障害 未治療の褐色細胞腫
相互作用:交感神経抑制薬 Ca拮抗薬 クロニジン 抗不整脈薬 麻酔薬 ジギタリス フィンゴリモド NSAIDsなど
副作用:心不全 徐脈 房室ブロック 洞房ブロック 失神を伴う起立性低血圧 血小板減少症 紫斑病 気管支攣縮 呼吸困難 喘鳴 発疹 頭痛 めまい 肝機能上昇 倦怠感 脱力感 しびれ感 浮腫 など
メインテート錠(成分名:ビソプロロール)
特徴:心不全 頻脈性心房細動にも適応あり
用法用量:1日1回5mg
代謝:CYP2D6 3A4で代謝
半減期:8.6時間
禁忌:高度徐脈 房室・洞房ブロック 洞不全症候群 糖尿病性ケトアシドーシス 代謝性アシドーシス 心原性ショック 肺高血圧による右心不全 心不全 重度末梢循環障害 未治療の褐色細胞腫 妊婦
相互作用:交感神経抑制薬 Ca拮抗剤 降圧薬 硝酸薬 ジギタリス 血糖降下薬 NSAIDs 抗不整脈薬 クロニジン グアナベンズ フィンゴリモド
副作用:心不全 完全房室ブロック 高度徐脈 洞不全症候群 頭痛 めまい 肝機能上昇 吐き気 呼吸困難など
ビソノテープ(成分名:ビソプロロール)
特徴:降圧薬で初めてのテープ製剤 経口投与不能な患者にも使用可能
用法用量:1日1回8mg 1日1回4mgから開始
代謝:CYP2D6 3A4で代謝
半減期:16時間
禁忌:高度徐脈 房室・洞房ブロック 洞不全症候群 糖尿病性ケトアシドーシス 代謝性アシドーシス 心原性ショック 肺高血圧による右心不全 心不全 重度末梢循環障害 未治療の褐色細胞腫
相互作用:交感神経抑制薬 Ca拮抗剤 降圧薬 硝酸薬 ジギタリス 血糖降下薬 NSAIDs 抗不整脈薬 クロニジン グアナベンズ フィンゴリモド
副作用:心不全 房室ブロック 高度徐脈 洞不全症候群 頭痛 肝機能上昇 尿中蛋白上昇 適用部位創掻痒感 皮膚炎など
ケルロング錠(成分名:ベタキソロール)
用法用量:1日1回5~10mg 1日20mgまで
半減期:13時間
禁忌:高度徐脈 房室・洞房ブロック 洞不全症候群 糖尿病性ケトアシドーシス 代謝性アシドーシス 心原性ショック 肺高血圧による右心不全 心不全 重度末梢循環障害 未治療の褐色細胞腫 妊婦
相互作用:交感神経抑制薬 Ca拮抗剤 降圧薬 ジソピラミド プロカインアミド レミフェンタニル 麻酔薬 ジギタリス 血糖降下薬 NSAIDs クロニジン グアナベンズフィンゴリモド
副作用:房室ブロック 心不全 心胸比増大 徐脈 低血圧 頭痛 めまい 肝障害 呼吸困難 倦怠感 血清尿酸値上昇 動悸、胸痛 蕁麻疹 搔痒 口渇 悪心 腎障害 涙液分泌減少など
セレクトール錠(成分名:セリプロロール)
特徴:β2受容体刺激による血管拡張作用
用法用量:1日1回100~200mg
代謝:CYP2D6、3A4で代謝
半減期:1.5~6時間
禁忌:糖尿病性毛とアシドーシス、代謝性アシドーシス、高度徐脈、房室ブロック、洞房ブロック、洞不全症候群、心原性ショック、うっ血性心不全、肺高血圧による右心不全、未治療の褐色細胞腫、妊婦
相互作用:Ca拮抗剤、交感神経抑制剤、クラスⅠ不整脈薬、アミオダロン、ジギタリス、降圧薬、硝酸薬、麻酔薬、クロニジン、グアナベンズ、NSAIDsなど
副作用:心不全、房室ブロック、洞房ブロック、発疹、動悸、めまい、肝障害、倦怠感など
インデラル錠(成分名:プロプラノロール)
用法用量:1回10~20mg 1日3回 1日120mgまで増量可
代謝:CYP2C9、1A2、2C19で代謝
半減期:2.3時間
禁忌:気管支喘息、気管支攣縮の恐れ、糖尿病性ケトアシドーシス、代謝性アシドーシス、高度徐脈、房室ブロック、洞房ブロック、洞不全症候群、心原性ショック、肺高血圧による右心不全、うっ血性心不全、長期の絶食状態、重度末梢循環障害、未治療の褐色細胞腫、異型狭心症
併用禁忌:リザトリプタン
相互作用:交感神経抑制薬、Ca拮抗薬、クロルプロマジン、麻酔薬、クラスⅠ、Ⅲ抗不整脈薬、麦角アルカロイド、ジギタリス、クロニジン、フィンゴリモド、交感神経刺激薬、シメチジン、ヒドララジン、キニジン、プロパフェノン、血糖降下薬、ワルファリン、リドカイン、NSAIDs、リファンピシン、飲酒
副作用:うっ血性心不全、徐脈、末梢神経虚血、房室ブロック、失神を伴う起立性低血圧、無顆粒球症、血小板減少症、紫斑病、気管支攣縮、呼吸困難、喘鳴、発疹、低血圧、頭痛、めまい、ふらつき、眠気、不眠、幻覚、抑うつ、悪心、嘔吐など
主なαβ遮断薬
私の薬局で扱っている薬剤を紹介
アロチノロール塩酸塩「DSP」(成分名:アロチノロール塩酸塩)
特徴:α遮断:β遮断=1:8
用法用量:1回10mg 1日2回 1日30mgまで増量可
代謝:肝エステラーゼで代謝
半減期:10時間
禁忌:高度徐脈 房室・洞房ブロック 糖尿病性ケトアシドーシス 代謝性アシドーシス 心原性ショック 肺高血圧による右心不全 うっ血性心不全 気管支攣縮、気管支喘息
相互作用:交感神経抑制薬 Ca拮抗剤 降圧薬 フィンゴリモド クロニジン ジギタリス 血糖降下薬 NSAIDs クラスⅠ不整脈薬
副作用:心不全 房室ブロック 高度徐脈 洞不全症候群 頭痛 めまい、肝機能上昇 倦怠感、発疹など
アーチスト錠(成分名:カルベジロール)
用法用量:1日1回10~20mg
代謝:CYP2D6、2C9、3A4、1A2、2E1で代謝
半減期:時3,6時間
禁忌:高度徐脈 房室・洞房ブロック 洞不全症候群 糖尿病性ケトアシドーシス 代謝性アシドーシス 心原性ショック 肺高血圧による右心不全 心不全 強心薬 未治療の褐色細胞腫 妊婦
相互作用:交感神経抑制薬 Ca拮抗剤 硝酸薬 ジソピラミド プロカインアミド ジギタリス 血糖降下薬 NSAIDs ヒドララジン シメチジン、SSRI、シクロスポリン、交感神経刺激薬
副作用:完全房室ブロック 心不全 心停止 高度徐脈 肝障害 黄疸 急性腎障害 中毒性表皮壊死症 皮膚粘膜眼症候群、アナフィラキシー 発疹 めまい 眠気など
主なα遮断薬
私の薬局で扱っている薬剤を紹介
エブランチル錠(成分名:ウラピジル)
特徴:α1選択性
用法用量:1日30~120mg 2回分服
代謝:CYP2D6
半減期:3,8時間
相互作用:利尿剤 降圧薬 PDE-5阻害剤
副作用:肝障害 めまい 頭痛 動悸 胸部不快感 吐き気 口渇 発疹など
カルデナリン錠(成分名:ドキサゾシンメシル酸塩)
特徴:長時間作用型で副作用が少ない
用法用量:1日1回0.5mgから開始 1日1~4mgに漸増
半減期:10~16時間
相互作用:利尿剤 降圧薬 PDE-5阻害剤
副作用:失神 意識喪失 不整脈 脳血管障害 狭心症 心筋梗塞 無顆粒球症 めまい 頭痛 動悸など
参照:今日の治療薬、Wikipedia
コメント