今回は当帰飲子について取り上げてみたいと思います。
この漢方薬は乾燥による皮膚の痒み、特に年配の方で皮膚の乾燥がひどい人の痒みに効果的です。
配合生薬
当帰(トウキ)、芍薬(シャクヤク)、川芎(センキュウ)、蒺藜子(シツリシ)、防風(ボウフウ)、地黄(ジオウ)、荊芥(ケイガイ)、黄耆(オウギ)、何首烏(カシュウ)、甘草(カンゾウ)
この中で、当帰、川芎、芍薬、地黄は四物湯の構成生薬で補血剤に分類されます。
食事の吸収がうまくいかないことなどによる栄養不足の状態で貧血であったり、各種体を潤す成分が不足する状態を改善する作用があります。
どんな人に効果的か?
老人性の皮膚の痒み 乾燥による皮膚の痒みがある人
効能
老化による皮膚の厚みがなくなり、皮脂腺や汗腺の萎縮により十分に皮膚を潤せない状態などの改善に効果的。
特に秋から冬にかけては乾燥の時期であり、皮膚が乾燥しやすく、また気温が下がることにより皮膚表面の血管が萎縮し十分に血液が皮膚まで届かない状態になり、皮膚表面の栄養が不足しがちになる。
入浴により一時的に血行がよくなり痒みの改善はあるが、その後の皮膚表面からの水分の蒸発により皮膚表面の皮脂が奪われ、痒みが酷くなる。
防風、荊芥により皮膚表面の血行をよくして痒みを抑える。
また、当帰、川芎、黄耆も血管を広げて血行をよくする作用がある。
服用における注意点
甘草が含まれているので低カリウム血症による血圧上昇、むくみなどに注意
服用に関しては専門家にご相談下さい。
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