今回は五苓散という漢方薬について紹介します。
漢方薬にとって体の中の水をさばくということはとても大切な概念です。
例えば、二日酔いを思い起こしてください。
お酒を飲む事はとても楽しい事です。
お酒が苦手な方にとっては理解されないことかと思いますが、お酒を飲みながら仲間とわいわいリラックスしながら盛り上がる時間は至福の時ですね。
ところが、ついつい盛り上がりすぎるとお酒を飲むピッチが上がってしまって気がついたときには飲み過ぎてしまってます。
すると眠気が出てきて、家に帰ってもそのまま寝てしまうこともあります。
そうして迎えた翌朝、頭痛と気持ち悪さで最悪の朝を迎えます。
その日は1日中気持ち悪くて、食べ物も喉を通らず、水分をがぶがぶ飲んでも喉が渇いて仕方が無い状態が続きます。
まさに体の中の水分バランスが崩れてしまっている状態ですね。
二日酔いの状態は、前日飲み過ぎたアルコールが吸収障害を起し腹部に水分が滞っています。
ところが、体の他の部分には上手く水分が行き渡っていないので喉が渇いてしまう状態です。
この状態でいくら水分を沢山とっても上手く吸収されず、一向に喉の渇きは癒やされません。
こんな時に効果を発揮するのが五苓散です。
では五苓散とはどういった薬でしょうか。
構成生薬
沢瀉(タクシャ)、猪苓(チョレイ)、蒼朮(ソウジュツ)、茯苓(ブクリョウ)、桂皮(ケイヒ)
沢瀉、猪苓、蒼朮・・・
利尿作用がある。腸管内の余分な水分を血管に引き込むことにより尿として水分を体から出す作用がある。
茯苓・・・弱い利水作用がある。
桂皮・・・血管を広げることにより血流を良くする作用がある。
どんな人に使われる?
吐き気があり、水分を摂っても胃に下りていかずにごぼっと吐いてしまうような人。
胃腸風邪などにより下痢症状が続く人。水分を摂っても吸収されずに下す人。
二日酔いの人。
むくみがある人。
など
服用にあたっての注意点
高熱があり、大汗をかき、脱水がある人には使えない。
服用にあたっては専門家にご相談下さい。
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