今回は夏の観光地として有名な黒部ダムに行ってきたのでその時の様子を紹介します。
黒部ダムと言えば長野県と富山県県境にある大変大きなダムで、日本で最も有名なダムと言っても過言ではないでしょう。
黒部ダムを実際見に行くまではその歴史をあまり知らなかったのですが、実際に行ってみると完成までの過酷な歴史がありました。今回はその歴史も合わせて紹介させてもらえたらと思います。
黒部ダムまでのアクセス
黒部ダムは立山黒部アルペンルートの途中にあり、長野県側からは扇沢駅、富山県側からは立山駅を出発点としますが、長野県側からの方が一度バスに乗るだけで到着しますので圧倒的にアクセスが良いです。
関電バスは季節により運行時間は変わりますが、夏場の繁忙期は朝の7:30から30分間隔で運行します。黒部ダム館内の観光時間は人それぞれかと思いますが、しっかり堪能しようと思うと3時間ぐらいは見ておいた方が良いと思いますので、午前中には関電バスに乗ることをおすすめします。
私達は前日に松本市内に泊まり朝の9時頃に出発して10時頃に扇沢駅に到着しました。松本市から扇沢駅までは車で約1時間ぐらいです。
扇沢駅の駐車場は無料駐車場230台、有料駐車場350台あるのですが私達が行った7月下旬の日曜日は朝の10時にはもうすでに満車になってしまっていて繁忙期の臨時駐車場に誘導されたのですが、そこから扇沢駅へは少し勾配のある道を歩いて10分ぐらいかかる場所なのでその事も考慮して時間に余裕を持って行ってください。
こんな感じの道を歩いて行かないといけません。でも木々に囲まれた道は気持ち良いですし、近くには沢も流れているので夏は涼しさを感じられて楽しいです。
歩くこと約10分、遂に扇沢駅に到着しました。
扇沢駅から黒部ダムまでの関電電気バスについて
扇沢駅に着いたらまず関電電気バスの往復切符を購入します。あらかじめウェブで買っておくことも出来るみたいですが、今回は現地で購入しました。私達が到着したのがちょうど10:30分のバスが出発する5分前ぐらいだったので焦りましたが幸い混雑もしていなくてすぐに買えたので良かったですが、時間に焦ることがないようにあらかじめ購入しておかれることおすすめします。
大人2610円 小人(小学生まで)1310円 R4 7月現在 です。
こんな感じのバスに乗り込みます。電気バスは初めて乗ったのですが、意外とスピードもでるし音も静かだしとても乗り心地が良かったです。
乗り始めてしばらくするとすぐにトンネルに入ります。黒部ダム建設にあたってまず大町から黒部ダムにつながるトンネル工事から始まるのですが、このトンネル工事が黒部ダム建設にあたっての最大の難所と言われるほど困難を極めた様です。
特に後半の破砕帯と呼ばれる場所は掘ると大量の湧き水があふれ出し、その水温も摂氏4度という冷たい水で行く手を阻まれたそうです。わずか80mの距離を7ヶ月もかけてやっと突破することができたようです。長野県側と富山県側からトンネルがつながったときの喜びと言ったら凄まじい物があったに違いありません。
こちらがバスから見た破砕帯のトンネルの様子です。写真では分かりませんが、今でもトンネルの脇から大量の水が溢れていました。
バスに乗ること約16分、ついに黒部ダムに到着です。
展望台から黒部ダムを望む
黒部ダム駅に着いていよいよ黒部ダム散策を始めます。
まず駅に着くと道が二手に分かれます。
連絡通路を進んで行き突き当たりを右に行くと220段の階段を登り黒部ダムを一望できる展望台に続きます。
左に行くと直接黒部ダムのえん堤に続きます。
私達はまず展望台に向かいました。展望台に行くためには220段の階段を上らないといけなくて、これが結構足に堪えます。
薄暗い階段を上っていきます。階段の途中で破砕帯の水を飲める箇所があり結構人が並んでいたのですが、展望台でも飲めると聞いてそのまま上がっていきました。
そして遂に220段の階段を上りきると
ダイナミックな黒部ダムが姿を現しました。その雄大な姿に鳥肌が立ちます。
さらに周囲の山々を眺めると
立山連峰方面
ダム湖から赤牛岳方面
奥に見えるのが白馬連峰
もう山好きにはたまりませんね。
また展望台で破砕帯の水を頂くことが出来ました。とっても冷えていてしみわたりました。
展望台を堪能してからは階段を下っていきます。下っていくと段々と黒部ダムが近づいて来るのでまたまた迫力が増してきます。特にダムから吹き出している水がダムの下に落ちていく様子を見ることができます。
こんな感じの階段を下っていきます。ダム下までは200mほどの高低差があり、高所恐怖症の方にはなかなかスリリングな感じです。
さらに近づいて行くと、放水の下あたりに虹が現れました。放水と虹、さらには周りの緑とのコントラストがすばらしくていつまでも見ていたくなります。
階段の途中にコンクリートバケツが展示されていました。黒部ダムを造る大量のコンクリートをこのバケツを使って運んだみたいです。見るからに重そうバケツで運ぶのも苦労したであろうと感じます。
そのまましばらく行くと黒部ダムのえん堤と同じ高さまで下りてきたのですが、さらにその下の階段を下りていくと今度は黒部ダムを下から見上げることができます。
なんと虹が2本になりました。また水が落ちた所がエメラルド色になっていて神秘的な感じです。
さらにこの場所には黒部ダム建設にあたって多くの苦難の歴史を物語る資料館があります。
ここは是非行ってみてください。自分が説明することの出来ない多くの方々の情熱が詰まっています。この場所に行くと自分が日頃感じている苦労なんて苦労とは言えないと思えてきます。この場所は外せないですね。
ここで約30分のビデオを見て、感動で涙を流しながらまた階段を上っていきました。階段を下りて来るときの景色を堪能していたときと、上って行くときの黒部ダム建設の歴史を感じまた違った感動が生まれました。
黒部ダムレストハウスで食事
黒部ダム資料館を見終わりちょうど2時間ぐらいが経過してそろそろお腹が空いてくるころだったので黒部ダムレストハウスで食事を摂ることにしました。
黒部ダムレストハウスは黒部ダムえん堤と同じ並びにあり、1階は無料休憩所、おみやげコーナー、軽食コーナーがあり、2階はレストランと売店があります。
右下がレストハウスです。その上のコンクリートで作られた部分が展望台です。こう見ると凄い場所に展望台があるなとびっくりしますね。
レストランにはカレーやラーメンをはじめ色々なメニューがあるのですが、私達が注文したのは黒部ダムにちなんだ黒部ダムカレーと黒部ダムラーメン。
黒部ダムカレー
ダム湖の色に合わせてカレーの色が緑色
黒部ダムラーメン
こちらも分かりにくいかもしれませんが、スープの色が緑色です。
どちらも大変美味しかったです!
黒部ダムえん堤を散策
レストランで食事をしてお腹一杯になったあと最後に黒部ダムえん堤を散策しました。
正直えん堤から見下ろす黒部ダムの放水が一番怖かったです。その高さはなんと186m。
そこから下を覗くと・・・
写真では伝えきれない怖さがあります。もしカメラを落としてしまったら・・・、とか色々心配してしまいます。
ただ美しさは素晴らしく、放水の水が霧のように細かく宙を舞い、エメラルドの川に虹が架かって見えます。
ここでしか味わえない神秘的な現象に息をのまずにはいられません。
是非直接現地で見てみてください。
黒部ダムを思う存分堪能させていただき、名残惜しくも帰路に向かい振り返るとダム湖の畔に殉職者慰霊碑がありました。
黒部ダム建設工事で171名の方が殉職されました。
日本の未来のために尊い命が失われたことを思うと、思わず手を合わせずにはいられませんでした。
もう一度黒部ダムを振り返り、今日ここで貴重な体験をさせていただいたことに感謝し、黒部ダムをあとにしました。
今回は夏の観光地として有名な黒部ダム観光のモデルコースを紹介させていただきました。最後まで御拝読いただき有り難うございました。
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